<ファッション初心者のための超分かりやすいMA-1コラム>

 

さいきんマジで流行ってる「MA-1(エムエーワン)」とは??

 

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•ダッサくて厚ぼったいミリアウター

 

MA-1、フライトジャケットの代表格。アメリカ空軍パイロットが着用したミリタリージャケットを原型としたアウター。上空を飛ぶパイロットがコクピットで凍えないように、ナイロン製の表地の下に中綿が詰められており(厚ぼってぇ)、防寒性能に優れる。左腕部には、ニコ中ばっかの軍人には必須のタバコを入れとけるシガーポケット。コクピットでは着座体勢、ケツポケットにはタバコ入れとけないんです。

 

もともとはミリヲタしか着てなかった軍服だが、トムクルーズ主演の映画「トップガン (1986)」がフライトジャケット人気に火をつけ、ファッションアイテムとして出回り始める。劇中でトムクルーズが着てたのは同じフライドジャケットでもレザー製でma-1とは形も違うG-1なのだが、ナイロン製で手頃な価格で手に入ったためなのか勘違いなのかとにかく90年代、街中にMA-1が溢れかえることになる。「着ると誰でもマッチョに見えるんだぜ?すごくね?」「うおおすげえ!イカしてる!!」

 

が、時代は流れ、あれ、この厚ぼったさダサくね?ここまで丈短いとスタイル悪く見えね?ってな感じでMA-1は世の中から一旦は(競馬場やパチ屋にいる顔しかめながらタバコ蒸してるオッサンしか着てないようなくらいには)、消滅した。

 

 

•90sリバイバル

 

90年代グランジ系(汚れてて、ボロボロで、超無骨な乞食風ストリート)が2013年くらいからファッション界隈で復活する。ダメージデニム、チェックシャツの重ね着や腰巻き、よれよれで所々破れた古着、Dr.マーチンとかのブーツ、ナイキやコンバースのスニーカー。

この90sリバイバルの流れに乗り、あのかつて流行ったらしいクソダサミリアウターMA-1までが便乗復活。しかしまあ、原型のままだと厚ぼったくてダサいし、街のファッションアイコンとなるオシャ層からはさっぱり受け入れられず。それでも流行らせようと頑張る各ブランドメーカー、改良に改良を重ね(ミリオタ的には改悪を重ね)、短すぎる丈を少し長くしたり、シルエットをキレイめに整えたり、裏地をオレンジ色じゃなくすることで「墜落時に目立つ色を振り回して助けを求めることができる」という機能性を見事に消滅させたり、

ついにはMA-1の特徴のひとつでもあるモコモコの中綿を引っこ抜いてペラペラにするという暴挙に踏み切り、ミリアウターならではの"防寒性"を思いっきり地面に投げ捨てることに成功した。そういった努力は実を結び、去年秋頃からファッションアイテムとして定着、今年大ブレイクするに至ったのである。

 

•ショート丈という関門

何度も言うが、MA-1ジャケットは、着丈が短い。ここ最重要。MA-1をファッションアイテムとして羽織る上で絶対に忘れてはいけない認識。他のショートコートと比べてもアウター類の中では圧倒的に着丈が短い。ガチガチのマジで(ダサ)短い。基本パイロットが狭い操縦席で着座状態で着るアウターだったから邪魔にならないようマジで短くしてある。

 

このマジな短さ、そのまま着たらマジで地雷(特に身長170しかない俺みたいなやつは)。他人の目には超短足にしか見えない。おしゃれになろうと思って着たにも関わらずくそスタイル悪く見えてしまう。

だからダックスフントになりたくない諸君は、MA-1の中に着込むインナーを、長めに!これもう鉄板。鉄板というか、起死回生。気持ち長め丈のカットソーやシャツ、ニットやスウェットを入れるだけで自然なレイヤードになって一転、スタイルがよく見える。

 

インナーはMA-1より着丈長かったらとりあえずはおk。モデル体型じゃないかぎり、諸君、これは必ず守ろう。そっからもうちょいシルエットこだわるならそのインナーの下にもう一枚ロング丈挟んでもかっこいい。今年はかなり極端なレイヤードがトレンドなので、ビッグシルエットシャツやロングカットソーを入れてゴリゴリにレイヤードするといい感じ。

 

www.aliexpress.com

↑タックインなど、インナーを短くするコーデは難易度超高め。これ競馬場にいるオッサンがしてるやつな(あなたが五郎丸並みにガチムチならアリかも)

↑インナー長めで超イージー。丈が短いMA-1とのバランスが取れて見え、自然なレイヤードにもなる

 

•ペラペラver.とちょい厚ver.

原型のゴワゴワ分厚く防寒性防風性に優れたものから各メーカーによってファッションアイテムへと改良されたMA-1。

ファッションアイテムとしてはペラペラMA-1とちょい厚MA-1のみとなり、原型の分厚いゴワゴワMA-1はショップから姿を消した。

 

現在、街に多く蔓延るのはミリオタからとくに憎まれている中綿なしのペラペラMA-1である。

 

袖や身頃が細めでシルエットもタイト、現代の若者ファッションを席巻するキレイめコーデにも取り入れやすいアウターとなっている。

 

 

ペラペラ系MA-1はいまや秋アウターの代表取締役に就任。だいたいあんだけシルエット絞ってたらテラジャケみたいなもんで何に合わせてもそれなりに合うしもう言うことないです。

 

シルエットのダサさをいかにしてカッコよさへと昇華するかがMA-1をファッションに取り入れる際の面白さだと思うけど、あれだけシルエット整えてしまえばどう着てもOK。上の方で書いた丈感の短さも、最近じゃ普通に長めに整えたやつあるしな、、(賢者モード)

 

しかしまあ現在真冬ですよ、ペラペラMA-1着てるモヤシどもが凍死するなか、中綿入りちょい厚MA-1をガッチリと羽織るゴリゴリ男たちは勢力を盛り返してきてます。

 

そんなちょい厚MA-1に憧れる可哀想なモヤシたちのためにちょい厚MA-1の着こなしを。まず、パンツは細めで。厚めシルエットの下はタイトが鉄板。

 

ミリタリー合わせでシルエットの太いカーゴパンツとか履いちゃうのは結構爆死率が高い。生存確率上げるために軍服着てるのに自ら爆死したら意味ない。生き残ろう。まずは生き残りを考えよう。

 

 

次にレイヤード。ちょい厚MA-1は原型に忠実に丈は短く設定してるから、これはマスト。しないとスタイルひどいことになる。したらスタイル良くなる。テキドに抜け感も出るしいいことづくめ。

最後にキレイめ要素。ちょい厚MA-1をオシャレに羽織るにあたり結構マスト。ちょい厚MA-1はかなり野暮ったさを孕んでるのでインナーでもボトムスでもいいからとにかくシュッとさせてくれるものか爽やかな印象を与えてくれるアイテムが欲しい。そしてこのメリハリがミリタリーをオシャレ要素、モテ要素へと昇華させる。

この三点を守ればとりあえずはちょい厚MA-1の着こなしに失敗しない。

 

もちろん上級者なら厚めのMA-1の下に太パンを合わせたりコーデにキレイめ要素を含まずゴリゴリの野暮ったさだけでまとめたり、ファッションの基本法則なんてガン無視してオシャレになれる。次元の違いだ。このコラムはファッション初心者のためのコラム。俺も含め縦と横しかない二次元世界で生きてるやつらは三次元の法則には歯が立たないし、三次元の存在に二次元の法則を適用することは不可能だ。

 

 

 

•ノーカラーブーム

去年あたりからファッショニスタがこぞって着はじめ、今年ついに大々的に襟なしの流れが来てる。カラー(collar, 襟)無しだからノーカラー。

 

マジで気持ち悪いブームだ。襟なしのシャツ?ふざけるなよ、Tシャツでも着てろハゲ!俺のシャツの襟だけは絶対に千切らせねえからな!と、去年くらいには思ってたが、今年に入って見慣れていくうちにすっかりカッコよく思えてきた。襟付きアイテムのフォーマル感を打ち消してコーデを全体的にリラックスさせるうえ、小顔効果まであるらしい。

 

まずは襟なしのバンドカラーシャツに始まり、ノーカラージャケット、ノーカラーアウターと、奴らは留まるところをしらない。そしてちょうどそのタイミングでこのMA-1の流行だ。諸君怪しいとは思わないだろうか?

 

そう、仕組まれていたのである。全てはノーカラー勢力の陰謀。襟がリブになっているMA-1はなんとまあ、圧倒的にノーカラーインナーとの相性がいいのだ。

 

↑首元がシュッとまとまる

 

 

さらにはノーカラーブームとともにやって来たタートルネックブーム、襟のないMA-1はこれにももちろんよく合う。

MA-1はまさに近年のトレンドアイテムに合わせやすい超万能アウターだったのだ!ここまでMA-1に合ってしまうのならノーカラー勢力に屈しざるをえない、、

 •カーキ

土ボコリという意味の"カーキ"。今季と、そして来季も継続してミリタリーがトレンドなだけあり、一気に脇役色から本命色へと躍り出た。MA-1に限らず軍服は基本カーキ色。

 

 

荒野にも草原にも溶け込みやすく、また距離を置くと空気にも紛れるらしい。

 

 

面白いのが、カーキと聞いてイメージする色が人それぞれ違うこと。サンドベージュからブラウン、オリーブ、ミリタリーグリーンまで、幅広いカーキ!緑とベージュ混ぜてあったらなんでもカーキという認識でおk。

そのため非常にトーン合わせコーデがしやすかったり(テキトーにカーキアイテム集めるだけでも、色の定義が明確に定まってないため、勝手にトーンが微妙にずれてグラデになってくれる。こなれ感・上級者感出まくり)する。

 

昔からオールブラックコーデはギャルソン着てモード拗らせてるファヲタや、逆に服を買いに行く服がない的なナードたちの界隈から絶大な人気を誇ってるけど、近年は全身ホワイトトーンコーデもイケメン俳優や人気モデルが各誌で着まくったおかげで大流行。

 

そこから上級者は全身グレートーンなんてのも始めてる。そんなトーン合わせコーデが流行する世の中、カーキなんていうトーン合わせしやすい色がトレンド色になっちゃったらもうそりゃそうなるよね。

 

 

オシャ界隈じゃカーキパンデミック!カジカジとかの雑誌に沸きまくり!みんなもカーキMA-1にカーキインナーカーキパンツ履いて全身土埃にまみれようぜ!もっとも戦争でフライトジャケット着て土埃にまみれてるのは撃墜されてるやつだけどな!

↑全身カーキコーデのブラッドピット

 

 

さんざんカーキ推したけど、ブラックMA-1も普通に使いやすいからね。

ナイロン×ブラック=カッコいい。トーン統一コーデにおいて素材感で差をつけやすいナイロン素材アイテムって貴重。

 

それではみなさん、快適なMA-1ライフを!!秋だけと言わず真冬でもゴリゴリ着ちゃいましょ!!

この記事のライター:シモンズ少佐

 

関西学院大学の写メサークル所属、某アパレルで超無愛想に

服を販売している。